2013年8月11日日曜日

レティシア、Not Pillar、そして下鴨。

いやはや、毎日暑いです。でも、暑いなんて言ってられません。
京都のレティシア書房さんで、夏の一箱古本市が開かれているというので、行ってきました。20店ほどのお店の本が、レティシアさんの店内に集合しているのです。そんな機会滅多にないですよね。あれだけのお店の本が一堂に会している風景はなかなか圧巻でした。でも、レティシアさんに行くと、私はいつも店主さんとのお話の方に夢中になってしまうのですが。。。店主さんには、お会いする度に、貴重なアドバイスをいただき、励ましていただき、本当に感謝しているのです。これだけの数のお店の方が、参加されているというのも、店主さんの人望のなせる技なのでしょう。



昨日の京都では、もう1店お目当てのお店がありました。それが、出町柳のNot Pillar Booksです。3坪の場所で、本屋さんをされているというので、これは絶対に伺いたい、と思っていました。アパートの1室にあるお店なのですが、場所など、しっかり調べて行って良かったぁ。知らなければ、まずアパートの玄関のドアを開けるのに、戸惑いますし、中に入っても、年季の入ったアパートそのもので、靴を脱いで入ることに面喰ってしまいました。


でも、そこはWebで調べていた通り、と勇気を出して、2階へ。2階の1室の前に、“NOT PILLAR BOOKS”の表示を見つけ、恐る恐る扉を開けたのでした。我々客も、店主さんも1瞬の驚きがあり、微妙な間の後、お店の本をゆっくり見させていただきました。リトルプレスなどを中心としたエッジの効いた個性的な本ばかりが並ぶ店内。8割は見たこともない本で、改めて本の世界の懐の深さを感じました。そこで購入したリトルプレス「仕事文脈」がかなり面白かったです。vol.2の特集が「地方と仕事」で、まさに今、私が読むべき本でしょう、と早速、帰りの電車の中で読みました。



表紙の「山さすり係」ちゃんの絵もたまらなく好きです。こういった面白いリトルプレスを出している、小出版社との出会いも、本屋さん巡りの醍醐味だなぁ、と思います。

みなさん、ご存じのように、レティシア書房さんのリトルプレスの充実ぶりも素晴らしいです。夏の一箱古本市は、8月18日(日)まで開かれているので、併せて、是非訪れて見てください。

そしてそして、今日からはいよいよ下鴨神社での古本市のスタートです。私も、糺の森の合戦へ出陣です。暑さはもう諦めました。しゃーないです。自分の体力の続く限り、楽しみながら本を選んで来たいと思います。
私の体力よ、どうか持ってくれますように。

*びすこの読書ノート*
「ボクは坊さん。」 白川密成 ミシマ社 2010
“「宗教」や「信仰」は、多くの人が共通してもっている普遍性を、壁に頭を打ち付けたり、戻ったりしながら、繰り返し考えてきた。・・・ 「自分」だけで考えることとは、あきらかにタイプの違う、多層的な思考や存在がそこにはある。だからこそ、には自分が考えるためのヒントがあると感じる。”

宗教に対するイメージって人それぞれだと思いますが、この筆者のような同世代のお坊さんが、自らの言葉で出来るだけ平易に、宗教や仏教について理解を得るべく努力されている姿に、好感を持ちました。全く、高い所から話している感じがしないのがいい、です。
平易な言葉だからこそ、自らハッとする “気づき” もあって、宗教の持つ意味について、何度も頷きながら、読み進めました。

“宗教には、さまざまな意味をひっくるめた「思想」や「アイデア」、「祈り」「世界観」など“長期保存”することができるという、保存装置のような性格がある”

これまで人間の歴史とともに、ずっとあった宗教。長い長い間、考え尽くされて、現在の形になっているとしたら、それを学んでみるのも、いいかもしれません。

“「若い頃から、何人ものお葬式を拝んでいる時に、生まれる前の感じと、死んだ後の感じって似ているんじゃないかな、と感じることがあるんです。そして、それが一番、普通の状態かなって思うんです。だから、“生きている”というこの時間は、僕たちが感じている以上に、とても短い、すごく特殊な時間のような気がしてしまいます」”

そう、今、現在に生きている私たちは、“お祭り”の最中なんだ。だったら、思いっきり楽しんで、走り抜けるしかないよね、と思いました。




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