2013年9月21日土曜日

百年の食卓

(びすこ文庫で取り扱いのあるリトルプレスのご紹介です。)

百年の食卓  「おばぁとおじぃの暮しとごはん」  600円(税込) 40ページ/カラー 
写真:田村ハーコ
デザイン:オクマタモツ・奥間ひとみ
文・編集:黒川祐子(アイデアにんべん)
編集・広告:黒川真也(アイデアにんべん)
監修:金城笑子(笑味の店)


沖縄本島北部の大宜味村 発のリトルプレスです。

おばぁ、おじぃたちが、じっくりゆっくり育てた野菜を、愛情込めて料理したものが並ぶ食卓。むかし、むかしは日常であったようなそんな光景。そんな本来日常であるはずの食卓が、奇跡のような輝きを帯びて1ページ、1ページに登場します。紹介されている食卓は、おじぃ、おばぁ達にとっては、普通のもの。写真に撮って、こうして冊子になるなんて、思いもしなかったことでしょう。そんな日常の豊かさ、贅沢さを味わっていただきたい1冊です。



表紙の笑子さんもそうですが、各ページに登場するおじぃ、おばぁたちの姿や表情の生き生きとして素敵なこと。思わず、こちらも笑顔になってしまいます。各記事のタイトルも、全て現地の方言でおじぃ、おばぁが発した言葉そのまま。おじぃ、おばぁたちの息遣いまで伝わってきそうで、胸がいっぱいになりました。





是非手に取って、眺めて、私が感じた、たまらなく幸せな感覚を味わってみてください。


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(以下、アイデアにんべんサイトより)

むかし、むかし、野菜は買うものではありませんでした。
広くなくとも土があれば、畑に。
炊事のたびに収穫しては、
みずみずしい味覚を食卓にのせました。
小さな畑に、台所の神様に、手を合わせました。
それを今も当たり前に続けているおばぁたちがいます。

ニガナ、カンダバー、イーチョーバー、
フーチーバー、ハンダマ…。
「なんかさー、そういう畑のすみっこに
 あるような島野菜を見ているとさ、
 工夫して料理してみたいという気もちにさせられたわけね」
と話す金城笑子(きんんじょう・えみこ)さん。
おばぁたちの、土や海とともにある暮らしのリズム、
生きる知恵を残していきたいと、
1990年、自宅のガレージで「笑味の店」をはじめました

今、「笑味の店」には、全国から、世界から、
たくさんのお客さんや研究者が訪れています。
90歳になっても、100歳になっても、
畑に、海に、出るおばぁやおじぃ。
「笑味の店」のお客さんが食べる野菜を育てたり、
時には話し相手にもなります。 

そんなおばぁたちの家を、笑子さんといっしょに
一軒一軒訪ねることにしました。
いつも食べているようなお昼ごはんを
食べさせてほしいとお願いをして。

この小冊子は、長寿や健康などの学問書とは異なる、
ごく静かな記録です。
でも、老いてもなお、すこやかに自分の暮らしを
立てているおばぁたちの食卓に、
台所に、畑に、100年近くを生きてきた人の言葉に、
今の時代にとっての光のようなものが
散りばめられていると思うのです。


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